本研究は2006年度まで(小池・石榑研)行ってきましたが,現在は研究を終了しています.
POFは大口径であるために,数万以上の伝搬モードが伝搬することになります(モードとは,ファイバ中の光信号の伝送経路と広義では捉えます).そのモードがファイバ中を伝搬していく際の伝搬遅延時間(群遅延)により、高速通信に必要とされる短パルス状の信号波形が劣化することをモード分散と呼びます。このモード分散が,大口径POFの高速通信性能を制限する最大の要因となっていました.POFに存在するモード分散を最小化し,ギガビット,10ギガビット以上の超高速通信を実現するためには,コア部に形成される屈折率分布の形状を最適に制御する技術が必要不可欠となります.この屈折率の分布形成技術は,これまでに,様々なプラスチック材料,伝送信号波長に依存した理想屈折率分布形状デザインを行ってきました.その中で、実際に理想分布形状をPOF内に形成した屈折率分布(GI)型POFを作製する技術が確立されつつあります。実験的に得られるGI型POF中の屈折率分布は,「ラマン散乱分析」「屈折率分布形成のリアルタイム計測」を行い、実験と同時に、屈折率分布の形成機構の理論的な解明を進めています.この研究を元に,理想の屈折率分布を,高い再現性で、任意の母材に、より簡単に形成する技術を確立することを目指しています.
|