留学期間:
滞在先 :
研究内容: |
2005年1月5日〜2005年11月30日
コロンビア大学 Department of Electrical Engineering
Lightwave Research 研究室
(Keren Bergman教授)
光パケットスイッチング及び高速コンピューティングのための光インターコネクション
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コロンビア大学は,アメリカ,ニューヨーク州,ニューヨーク市,マンハッタン島のアッパーウェスト地区と呼ばれるエリアに位置しており,文化系学部と工学部系が,同一のキャンパス内に同居しています.コロンビア大学といえばMedical
Scoolは全米屈指ですが,医学部だけは,さらに北の160丁目以北にあります.コロンビア大学は,2004年に創立250周年を迎えた程の長い歴史を有する伝統校であり,アイビーリーグに所属しています.マンハッタン島の北西部の極めて広い土地を所有しているのですが,キャンパス自体はそれほど広くはありません.よく知られているとおり,碁盤の目のようにAvenueとStreetが整備されているマンハッタン島ですが,南は114丁目より北は120丁目までの約6ブロック程度,東西はColumbus
Avenue−Amsterdam Avenue-Broadwayの3つのAvenueにまたがる程度の敷地しかありません. 左の図がそのキャンパスのマップですが,Map中央の「Low
Memorial Library」と書かれている建物が,上の写真にもある,「コロンビア大学の『象徴的』建造物でしょう.Libraryとありますが,現在は,図書館は丁度このLow
Libraryに面して建つ,Butler Libraryに全面移管されています.
Low LibraryとButler Libraryの間にあるグラウンドは,陽気の良い春先から秋口まで,多くの学生がフリスビーや,ミニフットボールをして楽しんでいます.
また,5月中頃に行われる,(恐らく最大のイベントでしょう)Commencementはこの中庭で盛大に執り行われます.このイベントには,卒業生に配られる数枚のチケットをもらえた人でないと中庭に入って卒業生と一緒に参加することは出来ません.この中庭では,初めて大学野球が行われたとも言われており,ニューヨークヤンキースの有名な選手であった,ルー・ゲーリックも大学時代にプレーをしたことがあるそうです.
工学部の建物は,主に最北端の120丁目に面した位置に立てられている3つのビルにほぼ集約されています.滞在していた,Lightwave Research
Lab.は,中央のShapiro (CEPSR) (シャピーロ,あるいはセプスゥールと呼ばれている)ビルの8階にあります.この3つの建物は,それぞれ高層階にて連絡橋によって連結されています.
「治安が悪く危険」のイメージのあるニューヨークですが,コロンビア大学のキャパス内の建物には,午前8時くらいから午後6時くらいまではセキュリティーロックがかかっていません.誰でも出入りが出来てしまいます.さすがにその時間外はIDカードによる認証(磁気,ICではない)が必要で,連絡通路すらAccess権をもたない人は通ることが出来なくなってしまいましたが・・
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Engineering School
アメリカの大学の学生は世界各国から集まり,特に理工系はアジアからの留学生が多い,という印象が強くありました.実際に,コロンビア大学の工学系にも,世界各国からファカルティ並びに学生が集まってきています.また,学部は西海岸で過ごし,大学院から東海岸へ,あるいは反対に東から西へと移る学生が多いのがアメリカの,半ば常識で,大学学部から大学院まで同じ大学という学生は珍しい方です.
しかし,コロンビア大学は,学部〜大学院とコロンビアで過ごす学生が比較的多く見られます.これも「アイビーリーグ」,「コロンビア」のブランド力なのでしょう.
工学系の学部に関しては,日本人留学生はあまり多くはありませんでした.むしろ企業から,訪問研究員の形で滞在されている方が多くおられたように感じます.コロンビア大学のエンジニアリングスクールは,規模が小さく,知名度が低い部分がありますが,動画のコーデックMPEGの発明,開発は有名ですし,昨今は,MIT出身の教員が集まって来ており,光学関係の研究者が充実してきています.
(日本人留学生が多いのは,やはりビジネススクールやロースクール,さらにはSIPAあたりでしょうか.)
地理的に IBM社のT.J.Watson研究所やベル研究所に近いという利点を生かし,IBMとのコラボレーションが多く,ベル研究所OBの教授も多くおられます.
光学関連の研究の充実ぶりは,学内で開かれる「Optics Seminar」の内容でも感じ取れます.中々普段では聞くことの出来ないような著名な研究者を毎週の様に呼んでは講演をしてもらっています.講演の最中でも遠慮無く遮っては次々と質問を浴びせる.これもアメリカ流でありコロンビ大学流です.
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Shapiroビルディング |
Optics Seminarをはじめとする講演の掲示
大量の光ファイバを使う研究室 |
Lightwave Research Lab.
滞在先のLightwave Research Lab.は,留学開始当時は,ドクターコースの学生が3名に当時助教授のBergman先生で構成された小さい研究室でした.2月より日本人で企業から留学されてこられた方が1名,短期間での研究補助的に加わられ,また,新たにドクターを希望する学生が2名加わりました.
所属学生の出身は,アメリカ3名,カナダ1名にイスラエル1名と,アジア系が0名である,極めて珍しい研究室でした.
Lightwave Research研究室は,Data vortexスイッチという,光パケットスイッチの提案とデモンストレーションの研究をメインに,超高速光インターコネクションの実現を目指している研究室です.政府からのプロジェクトバジェットも着実に増えており,特にDepartment
of Defenceが最大のスポンサーのようです.アメリカの大学らしいかな?と思われるところは,夕方になると比較的帰宅が早く,午後7時頃には,研究室に残っている学生がいなくなります.が,集中するときは土曜日でも日曜日でも関係なく,また夜も遅くまで実験していることもありました.さすがに日本の大学のような「徹夜で実験」は見たことがありません.
Lightwave Research Lab.が提案するData vortexスイッチは,スイッチのノードの構成がシンプルでありながら,スイッチング速度が速く,高アクセプト率でさらに低レーテンシをその特徴としています.パケットの衝突回避のために,ノード間を繋いだ光ファイバ中にパケットを流すことで,バッファーの代わりとして,順次出力ポートへと光パケットを転送していきます.ファイバに求められる,広帯域でありながら,短距離の伝送.いわゆるこの光インターコネクションは情報光学研究室の研究対象であるプラスチック光ファイバ・導波路の長所が生かされる領域です.このLightwave
Research研究室とのコラボレーションを通して,光インターコネクションの現状と,プラスチック光ファイバ・導波路の応用展開の可能性について,多くの議論をし,実験を行ってきました.
続く・・・
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卒業旅行で訪れた卒業生と共に・・・ |
研究室メンバー |
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